交信
2025/09/20 四日前
ほぼ一日中家にいて、Type Helpというゲームで遊んだ。テキスト系のゲームで何度も同じ文章を読むことになるのだが、最初の方に出てくる文章を読んでいながらじつは全然読めていなかったということが後半になるにつれ明らかになってくる。最近本を読んでいてもろくに読めている気がしないというか、期せずして斜め読みのようになって真正面から読めていないのを感じるので、その後ろめたさも手伝ってギクリとさせられた。読めていないなりに意味を通そうとする能力が読書には必要だと思うのだが、そうするにしてもちょうどいい塩梅というものがあり、読書する以上つねに探っていかなければならない。そして自分は、今の自分の傾向からするともうすこし水平になるよう意識してもいいはずだ。
代々木上原までバスケをしに行く。人数が集まらず体育館に入れない時間が50分ほどあった。4人しかおらず練習時間が短かったのにもかかわらず、有意義なトレーニングになったのが自分で実感できるほど良い練習だった。当たりの強いガードの子が斜に構えないタイプで正面からぶつかってくるので好感が持てる。自分も一見スカしているように見えて、じつは真正面タイプなのでそのことを理解してもらえた気がする。理解してもらえたことを確認したので理解し合ったことになると思う。フリースローを外したら課される罰走で全力ダッシュ一往復をしたのだが、全力ダッシュすることでしか得られない疲労とそれに付随するかすかな満足感があった。気持ちの良い汗をかけたので帰りに酒を飲まずにまっすぐ歩いて帰宅。よくもわるくもバスケで頭がいっぱいになっている。
2025/09/21 一昨昨日
この日もほぼ一日家にいてType Helpをやる。クリアするところまでいった。ギミックも面白いのだが超常現象に見える不審死の原因が普通に超常現象で、なんとなく肩透かしをくらったような気になった。夕方に狛江まで行く。新しくできた駅前のスタバで『荒潮』を読んでからバスに乗って体育館まで。2日連続でバスケをする。脚の疲労がきつくてまともなプレーを見せられなかった。長身プレーヤーのライバルがプレー強度と精度をともに上げてきているので、引き離されないようにしないといけない。この日も酒を飲まずに終える。
2025/09/22 一昨日
一日在宅勤務。バーピージャンプをやった以外に特筆すべき出来事はなし。定時退勤後月島までバスケに出かける。かるいバスケだから大丈夫だろうと思ったが見立てが甘かった。脚の疲労は回復せず。悪化しなかったとは思うが翌日のバスケのことを考えるとここで治しておきたかった。バスケサークルメンバーで飲み屋にいく。リーダーの社長に飲食代をおごってもらった。トレーニング方法に関するアドバイスを受ける。まだトレーニングの方向性が定まっていないので参考に試してみよう。あとはシンガポール人の友人ができた。ヘミングウェイのペーパーバック短編集を手持ちしていてとても興味を惹かれた。ネイティブレベルで英語ができる人は英語の小説を原文で読めるのが羨ましい。しかしよく聞いてみると普段はフィクションを読まず、息抜きで読み始めたとのこと。自分のいつものコミュニケーションスタイルだが、一切英語で喋ろうとせずに日本語で話しかけてしまう。それで問題なく意思疎通がとれるので、わざわざ自分の難のある英語を披露するには及ばないだろう。いっしょにBリーグの千葉v渋谷を見に行こうという話になる。チケットを取って連絡しよう。
2025/09/23 昨日
バキ道チャンネルでうろ覚え文学紹介というコーナーがあり、そこで存在感を示した浅田魔王という人の最近のおすすめトップ3に入るという本を図書館で借りる。話が面白いし、読むべき本を読もうとしてきた人だという感じがある。借りたのは『美の進化』という鳥類学者の本。鳥の美しさは人間にも美しいし、鳥自身にとっても美しいという不思議について解き明かそうとした本ということで、世界が明らかに美しく作られていることの不思議を思う身としては興味深いテーマだといえる。
昼から三鷹に出かける。家人と合流し、グラバー亭という長崎ちゃんぽんの店で昼ごはんを食べる。14時頃から友人宅へ。生後4ヶ月になる赤子を触らせてもらう。われわれは有無を言わせず主役の座を奪われ、一気に「目的」ではなく「手段」になってしまうのを感じた。そういう状況にショックを受ける年齢でもないので、逆によくあることとして処理し、その場を明け渡しつつも心を守り抜くという方策をとった。そういう守りの姿勢とか、生活上の知恵とか、大人のやることは本質的にどうでもいいことだと思われるし、そういう工夫がどうでもいいということに疑いはない。どうでもいいことだからといって簡単に手放してしまわないというのは自分の美点だったんだなと気付かされた。そういう点がないと間違いなく赤一色になる。そうは問屋が卸さない。ボードゲームが普段の第二景から第三景にまで退いていった。正体隠匿系のボマーというゲームで面白いはずなのだが、終始それどころではなかった。
そしてバスケのため新宿経由で狛江まで移動する。とっくに涼しくなっていて夏の暑さが思い出せない。あんなに苦しまされたのに記憶は儚い。あいかわらず脚が痛いので最初のほうはとくに動きに精彩を欠く。最後の方は痛みに慣れて矢鱈に跳ね回ったがあまり良いプレーにもならなかった。終了の笛直前に打った3ポイントもエアボールで入らず。終わってからは普段筋肉痛にならない箇所が筋肉痛になっていた。4日連続でバスケをしたらそれはコンディションもわるいだろう。
涼しくなったからなのか気分が落ち込む。酒を飲む。渋谷お笑い演芸館というコント番組を見て元気をもらうが、付け焼き刃で寝る前にはまた気分が落ち込んでいた。
2025/09/24 今日
パリに行ってまでリモートで仕事をして、しかも国外からのリモートワークが情報セキュリティ上不正だという指摘を受けるという最悪の夢を見る。バカンスで海外に行っているはずなのに仕事をしている時点でありえないほど非合理なのに、それがバレて怒られることになるという信じられないアホな行動を取ってしまった。起きて夢だったことに安堵しつつも実際に出社しないといけないことを思い出してまた落ち込んだ。寝不足状態になっているのもよくなかった。一日中オフィスにいて仕事を進める。鬱陶しいタスクが多かったのだがおおかた片付けることができた。
なんとなくクライシスだと思うのは、とくに仕事が嫌なわけでもないし、幸せ状態であることは間違いないのにもかかわらず虚しいという感覚がうっすら確実に心の中のどこかにあるということだ。不満があるのであればそれを解消するために動けばいい。不満がないのにこれになったときには何をどうすればいいのかわからない。
虎ノ門の吉野家で唐揚げ定食をお腹いっぱい食べた(ご飯大盛お替わり)あと、バスで渋谷に移動(社内で昼寝)。パルコのスタバで日記を書いてから『ザザコルダのフェニキア計画』を見る。